2019年4月8日月曜日

中空に吊るされる神々_「神話と占い」(その28)_






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「中空」に吊される男神たち
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混沌の中から大地が生まれ、大地は天と海を産み、次に自らの子天と交わって十二人の巨人族を産み、最後に一つ目の嵐と百手巨人を産んだ。天は自分の子どもたちをひとり残らず大地の胎内に幽閉したので、ガイアはウラノスを去勢するための大鎌を鋳造し、巨人族の末っ子クロノス(農耕神)に手渡した。クロノスは父ウラノスを生きたまま切り刻み、生殖器を切り取って海へ投げ込んだ。このときウラノスの精液が海の水と交わり、アプロディーテ(愛欲の女神)が生まれた。


クロノスは巨人族の姉レア(別名キュベレー、運命女神)と交わり、レアはのちオリュンポスの峰々に住まうことになる偉大な神々、ヘスティア(炉の女神)、デメテル(豊穣女神)、ヘラ(地母神)、ハデス(冥界神)、ポセイドン(海神)、ゼウス(雷神、至高神)を産んだ。しかしガイアが「お前は自分自身の息子によって支配権を奪われる」と予言したので、クロノスは生まれる子を次々と呑み込んだ。最後にゼウスが生まれたとき、レアはおくるみに包んだ石を呑ませて夫を欺き、赤子をクレタへ連れて行くと牝山羊霊を乳母と定め、天地空どこを探しても見つからないよう山上の洞窟に隠した(クレタ島のイディ山)。ゼウスは成長すると巨人族出身オケアノス(海神)の子であるメティス(知恵の女神)から毒薬を貰い受け、父クロノスに呑ませて兄と姉たち全員を吐き出させた。オリュンポスの神々は巨人族と十年戦い、勝利した






【ギリシア神話】ヘシオドスの創世神話
ヘシオドス『神統記』など
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絶対安全な「創造神の領域」に隠れたり、全知全能の「創造神の力」を利用するもっとも簡単な方法は、「自分自身が〝中空〟に行く」ことだと書きました。具体的には「「〝中空〟の宮に鎮座」すれば良いのですが、緊急時や何かを祈念するときの手段として「〝中空〟に吊り下げられる」選択肢もあります。


たとえばユダヤ人の襲撃を察知した聖パウロの弟子たちは、籠に入れ、城壁づたいに吊り下ろして自分たちの師匠を助け出すのです《『新約聖書』使徒言行録九》。また、天つ神たちは皇孫天津彦根火瓊瓊杵根尊(あまつひこね ほの ににぎのみこと)を「真床覆衾(まおうどこふすま)」という布団にくるんで高千穂の霊峰へ降臨させますが《『日本書紀』》、まさかドスンと落としたとは思えず、かといって布団にくるまれた瓊瓊杵根尊(ににぎのみこと)がヒラリと飛び降りるのも無理があるので、これは吊り下ろしたのだろうと解釈されます。


皇孫が降りて行く葦原中国はまだまだ平定したばかり、恭順(きょうじゅん)しない国つ神(先住民族のこと)がいるかもしれず天つ神たちは用心したということでしょう。






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