2019年4月3日水曜日

生まれ変る大国主神_「神話と占い」(その23)_







*********************
須佐之男命(すさのおのみこと)の言祝(ことほ)
*********************



⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
須佐之男命(すさのおのみこと)は今度は、自分の頭のムカデとシラミを取るよう、大穴牟遅神(おおなむぢのかみ)に言いつけた。大穴牟遅神(おおなむぢのかみ)は須勢理毘売命(すせりびめのみこと)が差し出した椋(むく)の実と赤土でムカデを取るふりをし、須佐之男命(すさのおのみこと)がうたた寝を始めるとその髪を屋敷の垂木(たるき)に結びつけ、宝物庫の「生大刀」「生弓矢」「天の詔琴」を奪ってから、須勢理毘売命(すせりびめのみこと)を背に負い、馬にまたがって根の堅州国(ねのかたすくに)から逃げ出した。

目を覚ました須佐之男命(すさのおのみこと)は結びつけられた髪をほどくのに手間どり、ふたりを捕らえることができなかった。そこで腹を決め、去ってゆく大穴牟遅神(おおなむぢのかみ)の背へ「その武器を使い、兄弟にうち勝って、きっと大国主神(大国の王)になるのだぞ。そうして宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ、「国の魂」という意味)とも、呼ばれるようになるのだぞ。私の娘は正妻にせよ。宇迦の山に太く頑丈な宮柱を立て、高天原(天)へ突き出るほど高い千木(ちぎ、屋根の装飾)をそびやかした宮に、ふたりで鎮座するのだぞ」と、結婚を言祝(ことほ)いだ。






【日本の神話】大国主神と須勢理毘売命
『古事記』上巻、根の堅州国
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒





復活後に本格的な活躍が始まるこうした物語は、古代において盛んに行われていた過激な成人の儀式を、若者たちに説明するべく伝承されたものだと言われます。

地上へ生還したあとの大活躍を見るに、アイネイアースは冥府で産み直された、換言すれば「生まれ変わった」としか思えません。女神ユノー(ギリシア名ヘラ)の呪いのせいで、祖国を失う、妻に先立たれる、やっと移住できたと思えば疫病で住めなくなる、新しい目的地へ近づいたと思えば嵐で船が吹き戻される、の連続に疲れ果て「落城と一緒に死ねば良かった」と嘆くばかりだった未熟な若者が、冥府からの帰還後は人が変わったように弱音を吐かなくなるからです。

自身の過酷な運命を呪うのをやめたアイネイアースは、先住民の代表者と一騎打ちで決着をつけるなど自ら果敢に戦って、自分を信じてくれた腹心の部下たちに定住地を確保します。






0 件のコメント:

コメントを投稿

TOPへ戻る