2019年3月22日金曜日

キュベレーとアッティス_「神話と占い」(その11)_






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牧人(ぼくじん)アッティスの悲劇
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母である運命女神キュベレー(別名レア)を犯そうとした至高神ゼウスは、抵抗されたせいで精液の一部を地面に垂らし、そこから両性具有のアグディスティスが生まれた。しかし性質が凶暴だったので神々は彼を去勢することに決め、酒神ディオニュソスが酔わせて眠らせ、髪の毛で男根を縛り木に繋いでおいた。


目覚めたアグディスティスは暴れ狂うことで自ら去勢し、切断された男根がアーモンド(もしくは柘榴ざくろ)の木に変わった。この木の実を摘んで食べた河神サンガリオスの娘ナナは途端に身籠もり、産み落としたアッティス(「牡山羊」という意味)は牝山羊に預けられた。


牧人アッティスは美しい若者になり、その美しさが評判になって王の娘と婚約した。しかしアグディスティスとキュベレーが彼に恋をして争い、結婚の祝祭歌が謡われている席にアグディスティスが踏み込んだので、狂乱したアッティスは女神キュベレーを祀る松の木の下で自ら去勢し、血を流しながら息絶えた。


【ギリシアの神話】女神キュベレーと牧人アッティスの悲劇
パウサニアス『地理史』第七巻「パトライ」アッテスの伝説
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