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最古の占い
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占星術や夢占いと並ぶ最古の占いに、指輪占いとダウジングがあります。占星術や夢占いは人類の進化過程と同調する部分が不明なため、ここではあえてとり上げません。
指輪占いは指輪、もしくは指でつまめる程度の大きさの球や棒へ短い鎖か紐を結びつけ、手で吊して行う簡単な占いのことで、振り子占いとも呼ばれます。中国式道教で行うフーチ(扶乩)のように、手ではなく木製の櫓を利用する場合もあります。
「フーチ(扶乩)」はY字型(T字型とも)の枝を櫓から砂の上へ垂らし、枝の先が砂に描く形で占う原始的な占術で、大別すれば「砂占い」の一種(「砂占い」は水を砂で代用した、「水占い」の変異形と言われる)です。神は大気中に偏在すると信じていた古代人の「空気」、「風(神の吐息と信じていた)」、「呼吸(人間の吐息にも神が宿っていると信じた)」に対する畏敬の念の名残だと言われます。老子・荘子の思想とはまったく関係ないのですが、土着的な道教儀式にとり入れられ、中国の農村地域では現在もなお祭儀として行われています。
一方「ダウジング」はV字型(Y字型とも)の棒(枝)を手にあちこち歩きまわる現場主義的な探査術で、英語で「水をぶっかける」「火を消す」などという語の派生語からなる占いです。日本では「枝占い」「杖占い」「棒占い」などと訳されます。
「枝(杖、棒)占い」は、折れ曲がった杖や芽吹いた枝の先で触れると岩から泉が吹き出すなどとされた「樹木信仰」の一形態で、古くからおもに水脈・鉱脈を見つけ出す目的で利用され、現代では金鉱堀りや油田探査技師が実施することで知られています。しかしオカルト(もとはイタリア語「秘術」という意味だが、いつの間にか「魔術」の暗喩になった)にすぎないという理由から、科学者からは見向きもされない技術です(西洋魔術の伝統では、「棒術」こと「杖占い」は「自然魔法」分類に入る)。
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井戸よ、沸きあがれ
さぁ、井戸に向かって歌おう
笏と杖でもって
祭司たちが井戸を掘り
高貴な民人がさらに深く掘り下げたと
【ユダヤ教】『旧約聖書』民数記二十一「モアブの谷までの旅」
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