2019年6月1日土曜日

イスラム教スンニー派の終末論_「神話と占い」(その82)






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ヤージュージュとマージュージュが暴れだす
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終末の日が近づいたとき、はるか昔イスカンダル(アレクサンダー大王)が大地のさい果て、太陽の昇る地(北東)へ幽閉した獰猛な巨人たち、ヤージュージュ(ゴグ)とマージュージュ(マゴグ)が、山と山のあいだに築き上げた堅固な防壁を崩して暴れだし、世界を恐怖に突き落とす。そこへ〝反メシア(ダッジャール)〟が現われて人々を撹乱し、およそ四十年間(四十日とも)地上を支配するので、イスラームはないがしろにされ人々は大いに堕落する。

しかしそのとき、神の使徒・第一預言者ムハンマドの家系(シャリーフ=クライシュ族ハーシェム家)に、〝正しく導かれた者(マフディー)〟が現われる。ほぼ同じ頃〝聖霊(ルーフ)〟イーサー(イエス・キリスト)もジブリール(ガブリエル)(ひき)いる天使隊を連れて地上へ再臨、マフディーと一致協力し巨人やダッジャールを殲滅(せんめつ)する。ダッジャールたちが完全に取り除(のぞ)かれたとき、イスラム法(シャリーア)による正義が真の意味でこの世に実現されるのだが、審判までもう、あまり猶予はない。地上に平和が取り戻されるや四枚の翼を持ち、頭は七天の最上層へ、足は七地下の最下層へ達する巨大な死天使イスラーフィールが顕(あらわ)れ、平原に立ってラッパを二度吹く。

一度目のラッパで戦乱に生き残った人々はいっせいに死に、二度目のラッパで昔死んだ人も今死んだばかりの人も皆いっせいに復活する。復活した人々は平地に集められ、神(アッラー)の裁きを受けることになる。このとき、神(アッラー)の審判をとりなすことができるのは整列した聖霊(ルーフ)・天使の誰か、もしくは復活した第一預言者ムハンマドだけだ。神の審判によって、人々は楽園(ジャンナ)へ行ける組と火獄(ジャヘンナム)で苦しむ組とに分けられる。

来世は楽園(ジャンナ)と火獄(ジャヘンナム)の二世界から成り立っている。死はなく、終末の日はもう二度と訪れない。楽園(ジャンナ)へ受け入れられた人々は未来永劫に幸せで、火獄(ジャヘンナム)へ投げ込まれた人々はただ苦しみながら、終わりのない来世を生きなければならない。


【イスラム教】慣行(スンニー)派「終末論」
イスラム主流・慣行(スンニー)派「ハディース」など

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